カフェインが体脂肪を抑制し、糖尿病のリスクを軽減する可能性があると研究で明らかに

BMJ Medicine*(1)に掲載された最新の研究によると、カフェインが豊富なコーヒーを毎日3~5杯飲むと、2型糖尿病や心血管疾患のリスクが低下することが明らかになりました

*(1) BMJ Medicine・・・ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの略称。イギリスの医学誌で国際的権威が高く医師であれば読むことを推奨される世界五大医学雑誌の1つ。

カフェインと糖尿病の因果関係を調査

研究チームは、メンデルランダム化法という遺伝的証拠を取得する方法を使用して、血中カフェインレベルの情報が体脂肪にどういった影響を与え、2型糖尿病や主要心血管患の長期的リスクにどのような影響を与えたかを調べました。

その結果、主にヨーロッパ系の10,000人近くの人々を調査した結果、遺伝的に予測された血中カフェイン濃度が高いほど、体重と体脂肪が低いことに関連していることが分かりました。

カフェインは新陳代謝を促進する

カフェインは新陳代謝を促進することで、脂肪の燃焼を促します。そのため1日100mgのカフェインの摂取をすることでエネルギー消費を1日あたり約100kcal増加されると推定され、肥満リスクの低下に貢献しているという事です。

今後、さらにこれらの研究結果を裏付けるために様々な実験を進める予定とされています。

ただし、カフェインの過剰摂取は健康被害を引き起こす

厚生労働省も注意喚起をしていますが、カフェインを過剰に摂取した場合に中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。

そのため、国によって基準は多少異なりますが健康な成人で400mg(コーヒーをマグカップで約3杯),妊婦は200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)にすべきとされています。

また日常で自身が気づいていなくてもカフェインを摂取している事もあるので注意が必要です。例えばコカ・コーラには同容量のコーヒーの6分の1ほどのカフェインが含まれています。

まとめ

  • カフェインが糖尿病リスクを減らす要因は脂肪燃焼や食欲増進防止による間接効果である
  • 肥満であることが糖尿病リスクを高める(一般的に既知の内容)
  • カフェイン摂取量は成人で1日カップ3杯、妊婦は2杯を目安にすべき
  • カフェインの取りすぎも別の健康被害を引き起こすため注意すること

という事ですね、今までこの手の話は聞いた事はありましたが、今回特定の実証方法での検証でより論理的に示されたというところでしょうか。

参考文献

Appraisal of the causal effect of plasma caffeine on adiposity,type 2 diabetes, and cardiovascular disease: two sample mendelian randomisation study

Caffeine may curb body fat, reduce type 2 diabetes risk, reveals study-ETNOW

食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A – 厚生労働省

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