【2023年】花粉症がひどい年の秋は、あの虫が大量発生する!?

2023年の花粉症は大量飛散によって、非常に悩まされている方も非常においはず。さらに残念な事に、花粉が多い年にはカメムシが大量発生する可能性が高いというのはご存じでしょうか?

花粉が多い年は、カメムシが大量発生する

花粉の飛散量とカメムシの量には相関があり、花粉が多い年にはカメムシが大量発生します。

カメムシは、秋頃にかけて比較的発生しますが悪臭を放つだけでなく主に、米やくだものなどの果樹を吸汁したりすることで作物に悪影響を及ぼす害虫なのです。

そのため、カメムシの発生量に応じて農家さんによっては対策を立てたり、薬剤を手配するなりが必要のためカメムシの発生傾向を予測するための研究が行われていたほどなんです。

2022年では31都道府県にてカメムシが大量発生する可能性が高いという事で8月に注意報が発令されました。同年6月頃から発生が増えている事が分かり、その後も発生の多い状態が継続したというのが理由です。

ただ上記のようにカメムシの発生個体数を計測することで、数か月以上前からカメムシがどれだけ発生するかを予測し、注意を出す方法もありますが前年の気候や花粉飛散量によりかなり前もってカメムシの発生を予測することが可能です。

ではなぜ、花粉とカメムシの発生には関係があるのでしょうか。

カメムシは、スギやヒノキの実を食べて成長する

カメムシは、スギやヒノキの木に卵を産むため卵から孵ったカメムシの幼虫はスギやヒノキの実を餌にして成虫になります。

花粉が多いのは、前年の30℃を超える日照時間を多い場合やいくつかの条件によって花芽がたくさん作られて花粉の飛散量がおおくなります。

そして花芽が多い事によって、スギやヒノキの実もたくさんできて「花粉量が多い = カメムシの餌が大量」という状態ができあがります。

当たり前ですが、餌が多い事でカメムシの個体は繁殖しやすい状態となるため、スギやヒノキなどの実が大量につけば、カメムシにとって好都合な環境となるのです。

データによっても証明された事実

出典: 福岡県病害虫防除所 資料

第1表については、ヒノキの実の量とカメムシの数を1989年から2000年にかけて調べたものです。

この図から分かることは、ヒノキの球果が多ければ多いほど、その木に生息するカメムシの数も多い事が示されています。つまりこの図から読み取れるとおり、球果の量とカメムシの数には確かな正の相関がみられます。

第2表については、カメムシが増える原因となるヒノキの結実量とヒノキの花粉量に相関があったことを裏付けるものです。1990年~2000年にかけて調査したところ、こちらは花粉の飛散量が多ければ、ヒノキの球果の量も多くなることを示しており、これら2者間にもは相関があることが分かりました。

よって、カメムシの量と花粉飛散量には相関があり、花粉飛散量が多い年にカメムシも多くなる傾向が高いことがデータによっても示されています。

一般家庭でのカメムシ対策(予防)

これらの予測モデルからも、今年の花粉の量からカメムシが大量発生する可能性が高い事が分かったわけですが、私たち一般家庭で事前に対策できることは具体的になんでしょうか?

予防方法としては主に3つあります。

カメムシ駆除スプレーを散布する

イカリ消毒 カメムシ駆除 侵入予防 カメムシ用エアゾール 480ml 長期持続 室内使用可能

カメムシを殺虫する「モノフルオロトリン」の成分が入ったものが効果的で、窓枠・壁に噴射することで侵入予防効果が期待できます。

壁面にもしっかり成分が付着することで、一度吹きかけると約1~2週間効果が持続します。

屋内でも使用できますが、観葉植物などご家庭に置いてある方はスプレーがかからないように注意したほうがよさそうです。

カメムシ忌避剤を使う

家庭化学 カメムシ いやよ 20g×5個

こちらはぶら下げておけるタイプのもので、お洗濯物などにカメムシをつきにくくするために洗濯竿などにぶらさげて使えるものです。非常に簡単に対策できるのでお勧めです。

またハッカ油なども効果的です。

除草する

カメムシはヒノキ以外にも草や茎なども餌になります。また日当たりのよい環境を特に好みますので、南向きの庭で家庭菜園や植木鉢等がある場合には寄り付きやすい環境となります。

そのため雑草など生い茂っている場合は除草することで繁殖を抑える事ができます。

網戸や窓のスキマをなくす

カメムシは様々な種類がいますが、小さいものだと数ミリのスキマがあるだけでも室内に入ってきてしまいます。特に南側の窓や網戸にスキマがある場合は市販のテープなどを使い埋めることで室内への侵入を防ぐことができます。

カメムシを見つけてしまった場合(戦い方)

ここまで予防をしていても、室内への侵入を許してしまった場合はどうしたらいいでしょうか。間違ってもティッシュでつまんで駆除するのはおススメできません。これらは非常に繊細な力加減と高い技術が必要です。高確率であなたの指にカメムシのあの不快な匂いがついてしまうでしょう。

おすすめの方法は下記です

凍結スプレー+粘着テープがおすすめ

凍らすジェット冷凍殺虫 殺虫スプレー [300mL]

おすすめは、凍結殺虫スプレーでカメムシを吹き付けて、凍ったカメムシを適当なテープで粘着させてそのまま捨てる方法です。

凍結させることで、カメムシの悪臭を出させずに凍らせることができ、そのあと粘着テープでゆっくり貼り付けて捨ててしまいましょう。上記凍結スプレーは他の害虫にも使えますので家庭に必ず置いておくべき必需品です。

これらの道具をカメムシの発生に向けて早めに用意しておくことをおすすめします。

という事で、花粉飛散量が増えるとカメムシが増えるという雑学でした。今年はおそらくカメムシは多いと思いますので皆さんも早めの対策をしましょう!

参考文献

ヒノキ花芽分岐化の気象条件によりチャバネカメムシの発生量の早期予測法

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