カメムシは自分の出すニオイで死ぬって本当?

秋になると大量発生する「カメムシ」ですが、カメムシのあの匂いは鼻をふさぐほどのニオイで毎年慣れません。今回そんなカメムシですがカメムシ自身の出すニオイで死ぬって本当でしょうか?

カメムシのニオイの正体

カメムシのあの匂いですが、おなかの臭線から放たれる分泌液があの悪臭の正体です。

この分泌液の匂い主成分は、ヘキサナール(C6H12O)・トランス-2-ヘキセナール(C6H10O)という化学物質です。

ヘキサナール(C6H12O)は吸入や皮膚からの吸収で健康被害を生じたり、目・呼吸器・皮膚に刺激性のある物質です。

トランス-2-ヘキセナール(C6H10O)は、カメムシのにおいの主成分で、天然では実はキュウリ・トマト・キャベツなどの野菜やリンゴ・バナナ・イチゴなどの果物にも存在します。

ちなみに双方の物質は、第4類危険物に該当します。

カメムシの匂いの役割

この匂いの役割はいくつかあります。

①外的から身を守るため

捕食者からの攻撃に対して身を守るために異臭を放ちます。また高い濃度の匂いは群れでいる周囲のカメムシへの警報としての役割もあります。

カメムシに対して何か刺激を与えるとあの悪臭を放つというのは多くの方が経験されていると思います。

②群れのフェロモンとして使っている

群れで行動するカメムシの場合、低濃度の匂いを集合フェロモンとして出しています。

これによってお互いの仲間の認識を確認し群れで行動ができます。

カメムシは自分の匂いが臭くて死んでるのではない

空のビンにカメムシを入れて、ストレスを与えると自分の匂いでカメムシが死ぬ。

という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? 確かに、こういった密閉空間でカメムシが自分の匂いを放出して死んでしまう事はあるのですが、悪臭で死んでいるわけではありません

先ほど記述した通り、カメムシの匂いの元となる分泌液の成分は有害物質です。これらは高濃度の状態になると細胞組織を損傷させてしまいます。

通常はカメムシ自身が自分の毒に侵されないように体表がセメント層の膜に覆われていますが、密閉した容器内だと気化した化学物質が体内の細胞を損傷させるために結果的に死んでしまうのです。

つまり、ニオイで死んだようにみえるが自分の出した有害な分泌液が気化して体内に取り込まれることで死んでしまうという事です。

まとめ

・カメムシの匂いの主成分は、トランス-2-ヘキセナール(C6H10O)という野菜や果物にも含まれる物質で、匂いとは別にカメムシの分泌液には有害物質が含まれている

・匂いの役割は、外的の防御と群れを作るためのフェロモンの役割

・カメムシは自分の匂いで死んでるのではなく、自分の分泌した液に含まれる有害物質によって死ぬことがある

参考文献

wikipedia – カメムシ

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