とある居酒屋にて、
ビールを片手に串を右手に、鶏から滴り落ちる脂が口の中でじゅわっとほとばしる。
みんな大好き「焼き鳥」の名物はスズメだったことはご存じでしょうか?
今回は焼き鳥の歴史からなぜ昔の人はスズメを串に刺して食べていたのかを解説していきます。
目次
焼き鳥の起源は「平安時代」
焼き鳥の歴史はかなり古いです。
文献で確認できる時点では平安時代の「類聚雑要抄」(るいじゅうぞうようしょう)より「鳥焼物」という記述があります。
しかし奈良時代には「食肉禁止令」が発令されていたことから、本来は鶏の肉をたべることを禁止されていました。そのため、この時代の人々は野鳥を食べていたことが伺えます。
またこの時代には、今のように串に刺して鳥を食べていたわけではなく、単純に鳥を焼いた料理だった可能性が高いと言われています。
江戸時代から現代の焼き鳥文化が誕生
江戸時代から鳥を串に刺して食べてきた記録が当時の1943年の文献「料理物語」に残っています。
また神社の参道では江戸時代から続くスズメの焼き鳥屋が名物であったという記録もあります。
尚、序にこのお祭の名物と言うのは、平生からも名物である小鳥の雀焼…境内に至るまでの長い道の両側で盛んに客を呼んでいる
若月紫蘭の『東京年中行事 – 雑司ヶ谷鬼子母神会式』(1911年)
この文献からもスズメはメジャーな焼き鳥の食材であったことが伺えますね。ちなみに、「現代日本料理選集 野鳥料理」にも「スズメは小鳥の中で最も美味で、焼き鳥が最高の味」と記載されています。
それにしてもスズメの味って、どんな味なんでしょう?
スズメの味は、トロッとした口どけと野生感溢れる旨味
昔、あるお店でスズメの焼き鳥を食べたことがあります。
頭の部分はレバーの様な食感で、口の中にトロッとした旨味がひろがります。対して、体の部分はパリッとした食感で骨もボリボリ砕きながら食べましたが想像していたより美味しかったです。
見た目は結構「スズメ」でした(笑)
スズメの焼き鳥を食べられるお店がある
京都にあるお食事処「稲福」というお店で名物の「スズメの丸焼き」を食べることができます。
スズメの収穫については規制等ありため、遠方からの来店時には事前にお店に確認してから行ったほうがいいかもしれません。
江戸時代の人々が愛していた「スズメの焼き鳥」、食べるだけでも当時の人々の食生活の一部を体験することができる事や今後スズメの焼き鳥も食べ続けられる可能性は少ないでしょうから是非足を運んでみてはいかがでしょうか。